大久保様倉庫新築工事
| 発注者様 | 大久保勝令 |
|---|---|
| 設計･監理 | 古郡建設株式会社 一級建築士事務所 |
| 竣工 | 令和3年6月 |
| 構造・規模 | 鉄骨造1階 |
| 延床面積 | 101.5㎡ |
| 工事概要 | 既存木造平屋住宅解体 S造平屋倉庫新築 庭園工事 |
| 所在地 | 埼玉県深谷市 |
近年のグローバル市場のめまぐるしい変化や円安の進行、国内産業のコスト削減などを背景に、製造業の国内回帰、リショアリングが進んでいます。
今回は、リショアリングの概要から進む背景、実施のメリット、課題と解決策をご紹介します。
1.リショアリングとは？
リショアリングの概要と進行している背景を見ていきましょう。
●リショアリングとは？
リショアリング（Reshoring）とは、製造業が海外の生産拠点を国内に戻す取り組みを指します。
国内の製造業の多くは1980年代から、主に生産コストを効率化するために海外での労働力確保と生産のために工場を建設し、効率的な製造を進めてきました。また1990年代のバブル崩壊後、デフレ経済が進んだことで、より安価に労働力を確保できるアジア圏への進出が活発化しました。
そうした海外での生産拠点は時代の流れと環境変化と共に、徐々に国内に戻ってきています。その動きをリショアリングと呼びます。
●リショアリングが進行している背景
なぜ近年、国内でリショアリングが進行しているのでしょうか。その理由として主に次の背景が挙げられます。
・円安の進行
・パンデミック
・地政学的なリスク
これらのグローバル市場の大きな変化を受け、製造業界では次のような課題に直面しました。
・生産コストの高騰によるコスト削減の必要性
・グローバルサプライチェーンの不安定化
これらの課題を解決し、持続的な生産を確保するために、国内回帰により改めて国内生産体制を整える動きが高まっています。
2.リショアリングのメリット
製造業がリショアリングを進めることは、課題解決につながるだけでなく、次のようなメリットも得られます。
●物流コスト削減
近年、製造業に欠かせない輸送コストについても高騰しており、喫緊の対応が求められています。また各国の紛争などの影響により、従来の最短ルートが使えず、高いコストを払って迂回を余儀なくされるケースもあり、輸送コストを見直す必要に迫られています。
国内に生産拠点を戻すことで、国内物流の安定したコストの中で生産活動を行えます。
●品質と信頼性向上
長年、海外生産の課題として、日本と比べた品質管理の重要性が指摘されてきました。リショアリングによって国内に拠点を戻すことで、品質管理の目が届きやすくなり、品質の向上が期待できます。また国内製造という強みを打ち出すことができるため、信頼性向上にも寄与するでしょう。
●迅速な市場対応
国内拠点は、迅速なビジネス展開にも好都合です。市場変化に対応するためには、変化を受けた迅速な意思決定と事業展開が欠かせません。国内に工場を戻すことで、意思決定後のスピーディーな事業展開も可能になります。
3.リショアリングの課題と解決策
リショアリングを押し進める上では、次のような課題に直面することがあります。解決策と共に解説します。
●新工場建設にかかる初期投資
国内工場の設置に当たり、既存施設を利用できることもありますが、老朽化が進んでいるケースもあり、新設に踏み切ることもあるでしょう。しかし新工場建設にはコストがかかるため、いかに効率的な投資を行うかが課題です。
解決策：優良で実績のある工場建設会社の知見を借りる
解決策の一つに、工場建設の専門的なノウハウを借りる方法が挙げられます。最適な立地や効率的な工法などコスト最適化のためのヒントをもらいましょう。
●サプライチェーンの再構築
リショアリングでは、これまで長年グローバルサプライチェーンを運用していたものを国内に転じる必要性があり、サプライチェーンを再構築することになります。海外からの調達に依存していた場合は、国内で供給先を確保するのに苦労することもあるでしょう。
解決策：国内と海外両方の拠点で生産体制を整える
海外からの調達のほうがコストメリットが大きい場合、海外拠点を残しつつ、国内での生産拠点と共に進めていくことも一案です。万が一のときのリスク分散にもつながります。
●専門人材の確保
国内拠点を構えることは品質や信頼の観点からメリットがある一方、その優れた製造技術を品質管理に活かせる人材が不足している課題があります。熟練労働者の高齢化や引退も今後増えていくでしょう。
解決策：AI・ロボットの活用、アウトソーシング
熟練労働者のノウハウをAIやロボットに学ばせ、技術・知識の伝承を進めることが一つに考えられます。また管理者のアウトソーシングを利用することも、柔軟なリソース補填の手段として有効となるでしょう。
4.まとめ
世界的に情勢が不安定となる中、リショアリングはコストを最適化しながら高い品質の製造を持続的に維持できる重要な取り組みの一つです。
一方、かえってコストが増してしまう恐れや工場建設の初期投資など、課題も多くあります。
重要なのは、コストを効率化しながら、自社が持つ製造力を十分に活かせる国内生産体制を整えることにあるでしょう。
リショアリングによる国内での工場新設を検討されている方は、古郡建設にご相談ください。課題に応じ、コスト最適化も含めたご提案が可能です。