大久保様倉庫新築工事






発注者様 | 大久保勝令 |
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設計・監理 | 古郡建設株式会社 一級建築士事務所 |
竣工 | 令和3年6月 |
構造・規模 | 鉄骨造1階 |
延床面積 | 101.5㎡ |
工事概要 | 既存木造平屋住宅解体 S造平屋倉庫新築 庭園工事 |
所在地 | 埼玉県深谷市 |
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倉庫はただの保管場所ではなく、効率的な物流を支える重要なインフラです。そのため、倉庫の設計は単にスペースを確保するだけでなく、業務の流れを最適化し、コストを抑えつつも安全性を確保することが求められます。本コラムでは、倉庫設計の基本からレイアウト設計のプロセス、業者選定のポイント、さらに、建設を成功に導くための秘訣までを徹底解説します。
はじめに、倉庫を設計する際の基本的な部分について解説します。
倉庫の設計は、企業の物流効率やコスト削減に直結する重要な要素です。倉庫の設計が不適切であれば、商品や材料の流れがスムーズに行われず、業務の効率が低下し、結果としてコストが増大する可能性があります。そのため、倉庫の設計を考える際には「間取り」と「動線」の両方をしっかりと考慮することが求められます。
間取りについては、保管する物品の種類や量、さらには将来的な増減を見据えた設計が必要です。例えば、食品や医薬品を保管する場合には温度管理が必要ですが、これらの設備を後付けするのは費用がかかります。したがって、初めから適切な間取りと設備を考慮することが重要です。
動線の設計もまた、効率化に不可欠です。動線が複雑であれば、作業員の移動時間が増え、作業の効率が低下します。例えば、出荷エリアと保管エリアが遠く離れていると、出荷作業が遅れがちになります。そのため、各エリアを効率的に配置し、物流の流れをスムーズにすることが求められます。
倉庫にはいくつかの種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。以下に代表的な倉庫の種類を紹介します。
1.在来工法在来工法の倉庫は、柱や梁を用いて建設される伝統的な工法です。この方法の最大のメリットは、自由度の高い設計が可能であることです。特定の用途に応じてカスタマイズができ、長期間にわたって使用することができます。耐久性が高く、30年以上の使用も期待できるため、長期的な視点での投資に向いています。しかし、その一方で施工費用が高額になりがちで、設計・施工期間が長くなる傾向があります。特に、強度を確保するために使用する鋼材が多くなると、費用が増加する可能性があります。
2.テント倉庫テント倉庫は、金属の骨組みにシートを被せて作られる構造で、短工期での施工が可能です。施工費用が安価で、迅速に利用を開始できる点が大きなメリットです。しかし、テントの生地は劣化しやすく、定期的な張り替えが必要です。耐久性は約10年とされており、長期的には他の倉庫と同等の費用がかかる可能性があります。
3.プレハブ倉庫プレハブ倉庫は、工場で生産された部品を現場で組み立てる方式です。増改築が容易で、短納期で建築できるため、事業の変動に柔軟に対応できます。店舗や事務所としても利用可能ですが、防火対策が必要になると費用が高額になる場合があります。また、規格品を利用するため、サイズやデザインの自由度が低い点もデメリットです。
4.システム倉庫システム倉庫は、規格化された部材を利用しながらも、設計の自由度が高いのが特徴です。強度が高く、地震や台風に対しても強い耐力を持ちます。長期間の供用を前提とする場合には、コストパフォーマンスが高い選択肢です。しかし、外観デザインがシンプルになりがちで、建築費用と工期が他の工法よりもかかる点がデメリットです。
前述の通り、倉庫の種類は、それぞれ異なる特徴を持ち、用途や予算に応じて最適な選択が求められます。倉庫の設計においては、これらの特性を理解し、企業のニーズに合った最適な設計を行うことが重要です。
倉庫建設は、単なる建物の建設ではなく、詳細な計画と段階的なプロセスが必要です。以下に、倉庫建設の一般的な流れを示します。
1.建設計画や要望のヒアリング初めに、クライアントの要望を詳細にヒアリングし、建設計画を策定します。ここでのヒアリングは、後の設計に大きく影響するため、非常に重要です。
2.倉庫の立地計画倉庫の立地は、物流効率に直結します。交通アクセスや周辺環境を考慮し、最適な立地を選定します。
3.基本計画・関係法令確認・基本設計基本計画を立て、関係法令を確認しながら基本設計を行います。法令遵守は、建設プロジェクトの成功に不可欠です。
4.概算工事費の確認設計に基づき、概算工事費を算出します。予算内での建設が可能かを確認します。
5.実施設計詳細な実施設計を行い、具体的な施工図面を作成します。
6.本見積もり・契約本見積もりを提示し、契約を締結します。
7.工事着工工事計画に基づき、実際の建設工事を開始します。
8.倉庫の完成・引き渡し工事が完了し、最終確認を経て倉庫を引き渡します。
倉庫建設の流れに関した詳細は、以下のコラムにまとめていますので、合わせてご覧ください。
続いて、倉庫の設計において重要な要素であるレイアウト設計のプロセスを解説します。
1.作業工程の整理・スペースの算出まず、作業工程の整理とスペースの算出が行われます。倉庫での作業内容を詳細に分析し、どのような工程が必要かを明確にすることが求められます。この段階では、商品の入荷から出荷までの流れを理解し、各工程に必要なスペースを計算します。例えば、受け入れエリア、保管エリア、ピッキングエリア、出荷エリアなど、各セクションに必要なスペースを具体的に把握することが重要です。これにより、無駄なスペースを削減し、効率的な倉庫運営が可能になります。
2.動線の確認次に、動線の確認が行われます。倉庫内での人や機材の動きがスムーズであることは、作業効率を左右する大きな要素です。動線設計では、作業者が最短距離で移動できるようにレイアウトを工夫し、交差する動線を極力避けることが求められます。これにより、作業の流れが円滑になり、時間の無駄を省くことができます。また、安全性の向上にも寄与します。
3.保管スペースと作業スペースの決定最後に、保管スペースと作業スペースの確認が行われます。保管スペースは、商品の種類や数量に応じて柔軟に対応できるように設計されるべきです。棚の高さや配置、通路幅などを最適化することで、限られたスペースを有効に活用できます。一方で、作業スペースは、作業者が快適に作業できる環境を整えることが重要です。適切な作業スペースを確保することで、作業者のパフォーマンス向上と安全性の確保が図れます。
これらのプロセスを経て、効率的で機能的な倉庫レイアウトが完成します。適切なレイアウト設計は、倉庫運営の効率化だけでなく、全体的な物流コストの削減にも寄与します。
続いて、倉庫設計業者を選定する際のポイントについて解説します。
まず、専門性の高さが重要です。倉庫は単なる建物ではなく、物流効率や保管の安全性、その土地の法令を考慮した設計が求められます。専門性の高い業者は、最新の物流トレンドや技術も活用し、効率的かつ安全な倉庫設計を提供します。過去のプロジェクト事例や技術者の資格、業界での評判などから業者の専門性を判断することがおすすめです。
また、実績の多さも選定の重要なポイントです。豊富な実績を持つ業者は、様々な規模や用途の倉庫建設に対応してきた経験があります。これにより、予期せぬトラブルにも迅速に対応できる柔軟性を持っているため、工期に準じたスケジュールでの建設が期待できます。
施工以降のサポート体制も見逃せません。倉庫の運用が始まった後も、メンテナンスや改修、トラブル対応が必要になることがあります。そのため、施工後のサポート体制が整っているかどうかを確認することが大切です。迅速かつ適切なサポートを提供してくれる業者を選ぶことで、長期的な安心感を得ることができます。
コストマネジメント力も重要です。設計・建設の各段階でのコストを適切に管理し、予算内で最適な結果を出す能力は、業者選定の大きな判断基準となります。透明性のある見積もりを提示し、コスト削減のための提案を行える業者を選びましょう。
最後に、地域密着型の建設会社を選ぶことも一つの戦略です。地域に根ざした業者は、地元の規制や環境に精通しており、適切な対応が可能です。また、地域のネットワークを活用した資材調達や、地域特有の気候条件に適した設計を提案してくれることもあります。
工場建設を成功させるためには、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。これらのポイントをしっかりと理解し、計画的に進めることで、効率的かつ安全に工場を建設することが可能となります。
最後に、工場建設を成功させるポイントを解説します。
まず、新倉庫の位置づけや用途を明確にすることが重要です。倉庫の目的や使用用途を具体的に定めることで、設計や設備の選定がスムーズに進みます。例えば、食品を保管する倉庫であれば、温度管理や衛生管理のための設備が必須となりますし、工業製品を保管する場合は耐荷重性のある床材が求められます。これにより、倉庫が実際の業務に適合し、効率的に機能することが期待できます。
立地条件の選定も倉庫建設の成功には欠かせません。交通の便が良い場所や、物流の拠点に近い場所を選ぶことで、輸送コストの削減や業務効率の向上が見込まれます。また、周辺環境や地域の規制も考慮しなければなりません。例えば、都市計画法や建築基準法に基づいた土地選びが必要です。これにより、法的なトラブルを回避し、スムーズな建設計画を進めることができます。
低コスト・短工期での建設を目指すことも重要です。建設費用を抑えつつ、短期間で完成させることは、企業の資金繰りや業務計画に大きな影響を与えます。コスト削減のためには、効率的な設計や工法の選定が求められます。
建設期間中も通常の業務を継続するための業務設計が必要です。例えば、仮設倉庫を用意したり、配送ルートを一時的に変更したりすることで、業務に支障をきたさないようにします。
倉庫建設においては、イニシャルコストだけでなく、ランニングコストの算出も欠かせません。建設後の運用費用、例えば光熱費やメンテナンス費用を事前に見積もることで、長期的なコスト削減が可能となります。選ぶ資材や設備によってはランニングコストが大幅に変わるため、慎重な選定が求められます。
倉庫業法の確認も忘れてはなりません。倉庫業法は、倉庫の運営に関する法律であり、これを遵守しないと営業許可が下りない可能性があります。例えば、営業倉庫の施設・設備は、一般建築物より厳しいことなどが注意点として挙げられ、法律に基づいた適切な設計や運営体制を整えることが、倉庫建設の成功に直結します。
その他の法律の確認も忘れてはなりません。倉庫業法の他にも、都市計画法、建築基準法、工場立地法など、関連する法律を遵守することは、後々のトラブルを未然に防ぐためにも重要です。
詳細については、以下関連コラムをご参照ください。
本記事では、倉庫設計の概要からプロセス、倉庫建設を成功させるポイントについて詳しく解説しました。倉庫建設では、設計段階での詳細な準備がその後に大きく影響します。特に、業者選定は重要な要素となり、専門的な知識と経験が豊富なパートナーを選ぶことが重要です。
古郡建設では、埼玉県・群馬県で数多くの物流倉庫や冷凍倉庫などの設計、建設実績を重ねてきました。詳細なヒアリングや綿密な検証を行い、適正な工法、スペック、ニーズを把握し、設計・施工・保守までを一貫して行い、お客様に最適な工場建設を実現します。古郡建設の工場建設サービスの特徴や選ばれる理由は下記ページで詳しくご紹介しております。
まずはお客様の構想を明確化します。規模や予算・用途を明確化させる事で、土地探しやリニューアルの規模感がある程度定まります。
特に埼玉・群馬での建設の場合、主要交通網とのアクセスによって倉庫・工場の利便性、店舗の集客力に大きな差が出ます。
また、用途地域による制限や、地盤による向き不向きもあるため、詳細はお問合せください。
埼玉県は首都東京と隣接しており、各幹線道路や貨物運搬に長じた鉄道網が整備されており、大手企業も含めた大型倉庫がこうした交通網を中心に集中しています。一方、既にこうした利便性の高い地域に大きな土地を確保するのが難しく、県内広域にわたり首都圏の物流を支える倉庫や、京浜工業地帯に関連する工場等の建設が進んでおります。
広大な土地の確保は難しいものの、最近では小型倉庫を複数確保し拠点間の在庫・生産状況の連携を密にした運用を行う企業様が多く見られます。埼玉の立地動向や魅力については下記コラムで詳しく解説しています。
埼玉県内に工場を建設するメリットとは?立地の動向や魅力を解説
私たち古郡建設は、埼玉・群馬で1世紀にもわたって地域発展のご支援をして参りました。埼玉で倉庫・工場建設用地にお悩みの場合はぜひ一度ご相談ください。
埼玉より遠いものの首都圏や京浜工場地帯に近く、また県内を北関東自動車道・関越自動車道・上信自動車道が通り甲信越地方へのアクセスが良いのが群馬県の特徴であり、そのため群馬県には業種問わず様々な工場が見られます。特に鉄道や航空機、自動車など輸送用機械器具のように広大な土地を要する大型製品の工場、江戸末期以降の歴史的背景を持つ製糸・亜鉛地金の加工工場、ナショナルブランドがこぞって群馬に工場を構える食品工場が有名です。特に県内の太田・館林・藤岡・富岡に工場が集中しております。
一方倉庫などの物流拠点は太田・館林にも多く見られますが、前橋・高崎・安中といった鉄道沿線にも多く見られ、埼玉よりも広域をカバーする物流拠点として活用されている傾向が見られます。群馬の立地動向や魅力については下記コラムで詳しく解説しています。
群馬県内に工場を建設するメリットとは?立地の動向や魅力を解説
私たち古郡建設は、埼玉・群馬で1世紀にもわたって地域発展のご支援をして参りました。群馬で倉庫・工場建設用地にお悩みの場合はぜひ一度ご相談ください。
埼玉・群馬は特に鉄道などの交通網整備により人口の集中が進み、かつ大宮や高崎といったオフィス展開が進む地域もあり、ターミナル駅周辺では都心と変わらないような駅ビルや駅前店舗も見られ、通勤・通学利用者をターゲットとした店舗展開が進んでいます。
一方、幹線道路と自家用車が主な交通手段として機能する地域もあり、こうした地域では幹線道路沿いに広大な駐車場を併設した郊外型店舗の展開が主流です。客層もファミリー層が主体となります。
二極化傾向が進む中、商品やメインターゲットに応じた立地と店舗設計が埼玉・群馬の店舗建設の鍵となります。
私たち古郡建設は、埼玉・群馬で1世紀にもわたって地域発展のご支援をして参りました。埼玉・群馬で店舗建設にお悩みの場合はぜひ一度ご相談ください。
古郡建設では、埼玉県・群馬県の事業用地を募集しています。具体的な募集内容については下記で詳しく記載しています。
事業用地募集
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発注者様 | 大久保勝令 |
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