近年は、物流倉庫へ太陽光発電などの再生可能エネルギーによる発電設備を導入する取り組みが進められています。脱炭素対応ができるほか、倉庫の運用効率が向上するメリットも得られます。しかし、導入や運用のコストがハードルになるケースは少なくありません。そうした課題に対応するのが、物流脱炭素化促進事業です。
今回は、物流脱炭素化促進事業の概要とともに、物流脱炭素化促進事業で倉庫へ太陽光発電を導入するメリットや、倉庫に太陽光発電を導入する際の注意点をご紹介します。
1.物流脱炭素化促進事業とは?

はじめに、物流脱炭素化促進事業の概要と公募内容をご紹介します。
●物流脱炭素化促進事業とは?
物流脱炭素化促進事業とは、物流脱炭素化の促進を目的として、物流施設などに、再生可能エネルギー関係設備である太陽光発電・蓄電池やEV車両を一体的に導入するための経費の一部を補助する事業です。
国土交通省が管轄しており、地域物流の脱炭素化に向けて、物流事業者等による太陽光エネルギーや水素・バイオマス等を活用した先進的な取り組みに対して支援します。
目的は、物流における環境負荷を低減するとともに、地域物流の脱炭素化を図ることにあります。
●物流脱炭素化促進事業の公募内容(令和8年度)
令和8年度の公募内容の概要をご紹介します。(公募内容は順次変更になる可能性があります。最新かつ正確な情報は公式サイトでご確認ください。)
1.次世代エネルギー(水素・バイオマス)
【補助対象事業者】
・倉庫事業者
・貨物自動車運送事業者等
・トラックターミナル事業者等
・上記事業者と共同で事業を実施する事業者(水素供給事業者・バイオ燃料供給事業者・リース事業者・不動産事業者など)
【本事業の支援対象となる取り組み内容 補助対象経費】
対象となるのは「つくる」「ためる」「つかう」の取り組みを一体的に行うものです。指定の項目から、「つくる」「ためる」「つかう」それぞれ一つ以上の実施が要件です。
例えば、水素活用の場合には、エネルギーを「つくる」ための水素製造設備の導入や、「ためる」ための水素貯蔵・充填設備の導入、「つかう」ための物流業務用FCV(燃料電池自動車)の導入などが挙げられます。
【補助率・補助上限額】
補助率:1/2以内
補助上限額
水素を活用する取り組み:2.5億円
バイオマスを活用する取り組み:2億円
2.再生可能エネルギー(太陽光)
【補助対象事業者】
・倉庫事業者
・貨物自動車運送事業者等
・トラックターミナル事業者等
・上記事業者と共同で事業を実施する事業者(リース事業者・PPA事業者・不動産事業者)
【本事業の支援対象となる取り組み内容 補助対象経費】
対象となるのは、「つくる」「ためる」「つかう」の取り組みを一体的に行うものです。
「つくる」項目のうち一つ以上 かつ「ためる」「つかう」の項目のうち二つ以上の実施が要件です。
例えばエネルギーを「つくる」取り組みとして太陽光発電施設の導入、「ためる」取り組みとして大容量蓄電池の導入などが挙げられます。
【補助率・補助上限額】
補助率:1/2以内
1事業者あたりの補助上限額:1億円
2.物流脱炭素化促進事業で倉庫へ太陽光発電を導入するメリット

物流脱炭素化促進事業では、物流倉庫へ太陽光発電を導入するケースも支援対象となる可能性があります。倉庫に導入した場合、次のようなメリットが期待できます。
●導入費の大幅削減
太陽光発電設備を導入したい意向がある事業者は、設備の導入コストを大幅に抑えることができます。先述の通り、補助率は最大で2分の1となるため、採択されれば初期投資を大幅に削減できる可能性があります。
●電気料金の効率化
太陽光発電設備と共に蓄電池のシステムなどを導入すると、電気料金の効率化につながります。例えば昼間は倉庫の稼働に太陽光発電のエネルギーを利用し、夜間は蓄電池からエネルギーを供給することで、効率的なエネルギー活用が可能になります。
●倉庫内の温度上昇の抑制
倉庫の屋根に太陽光パネルを設置することで、屋根の温度上昇を抑える効果が期待できます。遮熱効果により倉庫内の温度が上昇しにくくなるため、結果的に空調の無駄な稼働を抑制できます。
●EVなどの充電コスト効率化につながる
EV(電気自動車)のエネルギー供給も可能です。その結果、充電コストを効率化できる可能性もあります。
●BCP対策になる
大地震など大規模災害が生じ、電気エネルギーの供給がストップしてしまった際にも、自前の太陽光発電や蓄電池の準備等があれば、BCP(事業継続計画)対策になります。
●脱炭素を進められ、社会的評価が高まる
本事業に採択されれば、対外的に脱炭素の取り組みを公表できます。自社に注目が集まり、より社会的評価が高まるでしょう。
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3.倉庫への太陽光発電導入時の注意点

倉庫に太陽光発電設備や仕組みを導入するときの注意点をご紹介します。
●倉庫の状態や築年数によって導入できないケースもある
倉庫の築年数や耐久性などによって、太陽光発電の設備が導入できないケースもあります。
例えば太陽光パネル等は重量があるため、屋根に負荷がかかり、耐荷重等が不足する恐れがあります。1981年6月1日以降に建築確認申請を受けた新耐震基準をクリアしていることが目安となります。
専門業者への調査を依頼し、早期に倉庫への導入が可能かを確認する必要があります。
●初期導入コストだけでなく運用コストもかかることを想定する
太陽光発電設備を導入する際には、初期の導入コストはもちろんのこと、運用コストもかかります。主な運用コストとして、設備の部品交換費用や定期点検などの維持管理費が想定されます。
●運用・メンテナンスの手間やコストも考慮する
先述の通り、運用時には適切なメンテナンスや管理、点検が必要です。管理人員のコストが継続的に発生することも加味しましょう。
●施工会社を入念に選定する
信頼できる施工会社を選ぶことも重要です。高い専門性を持ち、コストパフォーマンスが高いのに加えて、強い責任感を持って実施してくれるところがおすすめです。実績を確認するのはもちろんのこと、よくコミュニケーションを取り、信頼性を確認した上で選定しましょう。
4.まとめ
物流脱炭素化促進事業は、物流倉庫などに、再生可能エネルギー関係設備やEVなどを一体的に導入するための経費の一部を補助する事業です。補助率は最大2分の1であることから、初期投資の抑制につながります。
倉庫に太陽光発電設備などを導入する際には、よく計画をした上で進める必要があります。
古郡建設は、埼玉県・群馬県において地域密着型の工場・倉庫建設サービスをご提供しており、必要に応じて、倉庫への太陽光発電導入のお手伝いをさせていただきます。
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