再生可能なエネルギーの利用は、環境に配慮しながら事業を行うための重要な取り組みの一つです。その中でも、一つの手法としてオンサイトPPAがあります。
今回はオンサイトPPAとは何か、その仕組みとともにオフサイトPPAとの違い、オンサイトPPAのメリットとデメリット、おすすめの企業を解説します。
1.オンサイトPPAとは?仕組みを解説

まずはオンサイトPPAの定義と仕組みを解説します。
●オンサイトPPAとは
PPAとは「Power Purchase Agreement」の略で「電力販売契約」と訳されます。
オンサイトPPAとは、再生可能エネルギーなどの発電事業者が、需要家の敷地内や屋根などに発電設備を設置して電力を供給する契約形態です。電力を長期固定価格で購入するのが一般的です。
オンサイトPPAは第三者が敷地内に設備を設置することから、「第三者所有モデル」とも呼ばれます。
●オンサイトPPAの仕組み
オンサイトPPAでは、発電事業者が、需要家の敷地内に太陽光発電設備などを発電事業者の費用により設置します。あくまで発電事業者が所有・維持管理をした上で、発電設備から発電された電気を需要家に供給する仕組みです。
維持管理やメンテナンスは需要家が行う場合もありますが、基本的には発電事業者が行います。
2.オンサイトPPAとオフサイトPPAとの違い

PPAにはオフサイトPPAという形態もあります。オンサイトPPAとオフサイトPPAとではどのような違いがあるのかをご紹介します。
●オフサイトPPAとは?
オフサイトPPAとは、発電事業者による発電設備が遠隔地に設置され、送配電網を経由して需要家に供給する仕組みです。
| オンサイトPPA | オフサイトPPA | |
|---|---|---|
| 設置場所 | 需要家の敷地内 | 需要家の敷地外の遠隔地 |
| 電力供給方法 | 発電事業者から直接供給 | 発電事業者から小売電気事業者の送配電網を経由して供給 |
| 初期費用 | 無料 | 無料 |
| 契約形態 | 直接契約 | フィジカル契約またはバーチャル契約(※) |
| 導入条件 | 敷地面積や屋根が必要 | 敷地の用意は不要 |
※フィジカル契約は電力と環境価値をセットで取引する方法、バーチャル契約は環境価値のみを取引する方法。バーチャル契約では別途、電力供給会社との取引が必要。
大きな違いは、自社の敷地に発電設備を設置するかどうかです。オンサイトPPAは敷地内に設置しますが、オフサイトPPAは遠隔地に設置します。どちらも初期費用は無料ですが、契約形態が異なり、電気の供給方法も異なります。
3.オンサイトPPAのメリット・デメリット

企業にとって、これからオンサイトPPAの設置を検討する際には、次のメリットとデメリットを確認しておくことをおすすめします。
【メリット】
・運用リスクやメンテナンスコストを負担しなくて済む
基本的に発電事業者が保守管理をするため、運用リスクやメンテナンスコストの負担なく、電気を活用できます。
・初期費用がかからない
オンサイトPPAは初期費用がかからないため、手軽に導入が可能です。
・電気料金の削減
発電した電気は低コストでオフィスや工場、倉庫などに利用できます。長期的に安定した価格で利用できることから、年間数百万円のコスト削減効果になることがあります。
・電気市場の価格変動リスクを回避できる
長期的に固定価格による契約が多いため、電気市場の価格変動のリスクを回避することができます。
・非常用電源として利用しやすい
地震などで電気の供給が停止してしまった際に、非常用電源として利用しやすいところがあります。
・CO2排出量の削減
電気の使用量が多い場合、再生可能エネルギーを利用することで、CO2の排出量を削減できるため、環境配慮の取り組みにも寄与します。
【デメリット】
・敷地が必要
社内の敷地や屋根などに発電設備を設置する必要があるため、敷地に余裕が必要です。
・敷地が限られるため発電量の増量がしにくい
自社の敷地には限りがあることから、発電量を増加させたい場合に、安易に増やすことができません。
・契約期間が15~25年と長い
契約期間は主に15年から25年が一般的であることから、長期的に契約を結ぶ必要があります。
・余剰電力の活用がむずかしいこともある
発電量によって余剰電力が発生することがあります。しかしこの余剰電力は、必ずしもすべての発電電気を活用できるとは限りません。リスクを十分に検討する必要があります。
>工場のコスト削減方法とは?コスト別のアプローチと実践アイデア
4.オンサイトPPAの利用がおすすめの企業

これまでにご紹介してきた内容を踏まえると、オンサイトPPAの利用がおすすめなのは、次の企業です。
●メンテナンスやコストのリスクを抑えたい
再生可能エネルギーの導入を切望しつつも、発電設備のメンテナンスや導入、コストなどのリスクを抑えたい企業は適しているでしょう。
●初期費用なしで電気代の削減を進めたい
電気代がかさんでおり、削減効果を検討している場合は、設備導入はコスト面で厳しいことでしょう。そこで初期費用なしで電気代の削減に関する見込みのあるオンサイトPPAは最適です。
●敷地や屋根を所有している
敷地に余裕があり、屋根に太陽光パネルを設置したいという場合には適しているでしょう。
●CO2排出量を削減したい
環境配慮の取り組みとして、積極的に推進したい場合に適しています。CO2排出量を削減できる電気供給の仕組みとして有効です。
●BCPを強化したい
オンサイトPPAをBCP(事業継続計画)の一環とすることもできます。非常時の電源供給源を備えておくことで、工場や倉庫などへの供給が可能になり、BCP対策となります。
5.まとめ
オンサイトPPAは、初期費用なしで敷地内に発電設備をメンテナンスコストや初期導入コストのリスクなく導入できる有効な契約形態です。太陽光パネル等の設置を検討している場合には一つの選択肢となります。
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