近年は省エネの取り組みのために太陽光発電を取り入れる事業者が増えています。その中でも、工場や倉庫などの施設の屋根に設置する「屋根置き太陽光発電」を検討している方もいるのではないでしょうか。
今回は、屋根置き太陽光発電とは何か、その特徴について、近年、注目されている背景、メリットとデメリット、施工のポイントについて解説します。
1.屋根置き太陽光発電とは?

屋根置き太陽光発電の特徴を見ていきましょう。
●屋根置き太陽光発電とは?
屋根置き太陽光発電とは、太陽光パネルを設置する方法の種類です。太陽光パネルとは、太陽光を集めることによって発電ができる装置です。屋根に設置するのが一般的ですが、その設置方法の種類として、屋根置き型と屋根一体型があります。
屋根置き型は、屋根に架台を置き、その上に太陽光パネルを設置する方法です。一方、屋根一体型は、屋根材の中に太陽電池セルを組み込み、屋根自体が太陽光パネルとなっているタイプです。
屋根置き型は設置しやすく、メンテナンス性も高いメリットがあります。一方、屋根一体型は、デザイン性が優れているメリットがありますが、工場や倉庫などにデザイン性は不要という場合には、屋根置き型が最適です。
また屋根置き型太陽光発電は、大規模な太陽光発電(メガソーラー)と比べてもメリットがあります。メガソーラーは、1メガワット以上の出力を持つ太陽光発電システムで、空き地や埋立地、堤防、ビルや学校の屋上などに設置されます。しかし自然環境や安全、景観など影響があることから懸念の声が挙がっており、それらの懸念のない屋根置き型太陽光発電に注目が高まっています。
●報告の義務化について
2026年度から「省エネ・非化石転換法」に基づき、屋根置き太陽光発電の設備を設置する余地に関して、一定規模以上のエネルギーを使用する事業者に報告が義務付けられました。
該当するのは、年度のエネルギー使用量が原油換算1500kL以上の事業者です。
新制度で新たに求められるのは、中長期計画の提出と定期報告です。中長期計画では、屋根置き太陽光発電設備の設置に関する定性的な目標を立てます。例えば新たに屋根置き太陽光発電設備を設置する時期の目処を提出します。
定期報告では、工場等における屋根置き太陽光発電設備を設置できる屋根面積と、そのうち、すでに設備を設置済み、及び設置予定の面積や出力等の報告です。
該当する事業者は、対応する義務があります。
2.屋根置き太陽光発電のメリットとデメリット

屋根置き太陽光発電を事業者が採用することは、次のメリットとデメリットがあります。
【メリット】
・電気料金の最適化
太陽光による電力を自家消費し、電力会社から購入する電気量を減らすことで、電気料金の最適化につながります。
・電気料金の高騰リスクの低減
近年、電気料金が高騰していますが、自家消費によってリスクを低減することができます。
・遮熱・断熱につながる可能性もある
工場や倉庫等の屋根に設置することで、遮熱や断熱効果が期待できます。工場や倉庫内において、夏場は室内の温度が下がり、冬場は暖かい環境を実現します。
・BCP
停電時には太陽光発電で一部でも電力をまかなうことができる見込みがあります。地震や大雨、台風などの自然災害やパンデミックなどにおけるBCP(事業継続計画)に役立ちます。
・脱炭素施策の促進
太陽光発電は、発電時にCO2を排出しない環境にやさしい発電方法です。CO2排出量の削減は、すべての企業において喫緊の課題となっていることから、脱炭素の施策を促進させることができます。
・売電(余剰売電)が可能
使い切れなかった電気を売電することも可能です。大幅な利益を出せるわけではありませんが、創出した電気の効率的な利用が可能です。
【デメリット】
・導入コストと定期メンテナンスの必要性
屋根置き太陽光発電を導入すると、導入コストはもちろんのこと、定期メンテナンスの手間やコストも検討しなければなりません。十分な体制を整えられるのであれば有効です。
・再エネ効果は昼間の時間帯に限定される
太陽光パネルは雨や夜間には発電することができません。よって、日中により多く電気を使う工場や倉庫でなければ、電力の利用効率が低下する恐れがあります。
また、天候によって発電量が増減する不安定な発電方法であることを認識しておく必要があるでしょう。
>工場のコスト削減方法とは?コスト別のアプローチと実践アイデア
3.屋根置き太陽光発電の施工のポイント

屋根置き太陽光発電を事業者が施工する際のポイントをご紹介します。
●設置するかどうかを十分に検討する
一定規模以上の事業者に該当する場合は、設置するかどうかを十分に検討して答えを出す必要があります。
検討事項として、工場や倉庫の屋根条件、電力使用、コストなどが挙げられます。屋根などの現地調査は必須といえるでしょう。
●屋根の穴あけなどの高度な施工技術の必要性
太陽光パネルを設置する際には、屋根の穴あけが必要になることがあります。雨漏りの恐れがあるため、高度な施工技術が求められます。実績のある高度な技術を持つ施工会社を選びましょう。
●屋根の強度計算を行う
屋根に太陽光パネルを設置する際には、パネルは1枚あたり数十kgほどあることから、屋根に大きな負荷がかかります。屋根の強度が問われるため、重量については十分に計算しておきましょう。老朽化している場合には、十分な注意が必要です。
●保険適用の要件の確認
火災保険に加入している場合、屋根に穴を開ける工事を行うと、保険の適用外になるケースがあります。事前によく要件を確認しておきましょう。
4.まとめ
屋根置き太陽光発電は、電気料金の最適化や高騰リスクの低減、遮熱・断熱効果、BCP対策、脱炭素施策などあらゆるメリットがあります。工場や倉庫の屋根を活用したいという場合には、検討の余地があるでしょう。
古郡建設は、埼玉県と群馬県で工場・倉庫建設サービスを行っております。太陽光パネルについては、改修や建設のタイミングに合わせて、新築や屋根の改修など、建物全体の建築工事とあわせた総合的なご提案が可能です。まずはお気軽にご相談ください。
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