これから工場や倉庫の建設や改修を行いたいと考えているものの、工事手配にあたって、建設費の高騰や工期の遅延などの不安を抱えていませんか?
建設業界は人手不足が高じている中、工場や倉庫建設や改修工事を行いたい発注者には、どのような影響があるのでしょうか。
今回は、建設業界で人手不足が進む背景と、工場や倉庫建設・改修工事にもたらされる影響、発注者にとっての効率的な工事手配の方法をお伝えします。
1.建設業界の人手不足が深刻化する背景

近年、建設業界の人手不足が深刻化しています。
総務省統計局による労働力調査(※)では、1997年をピークに年々、建設業従事者数は減少しています。2025年時点では478万人程度となっており、今後も担い手不足が懸念されています。
●建設業界の人手不足が深刻化している背景
建設業の人手不足が深刻化している背景として、次の点が挙げられます。
・少子高齢化による労働力不足と高齢化
国内で深刻化する少子高齢化による労働力不足と高齢化の波は、建設業界にも押し寄せています。施工管理を担う技術者とともに、建設工事現場で作業を行う技能者も減少しています。
・建設業の職種としての不人気と離職率の悪化
人材採用においては、人が集まりにくい状況があります。これは構造的な要因から来る低賃金と共に、3K(きつい、汚い、危険)のイメージが定着していることによる不人気が背景にあるといわれています。これが若者離れを生んでおり、離職率の高さにもつながっています。
・建設需要の増大
建設需要が年々増大していることも背景にあるといわれています。国土交通省からは2025年度の建設投資は75兆5,700億円となる見通しと発表されましたが、その10年前の2015年度においては、48兆4,600億円でした。10年間で約27兆円増額しています。
建設需要が増大している一方で、建設業従事者数が減少しています。このことから、現場では切迫した状況であることが想像できます。
2.建設業界の人手不足がもたらす工場・倉庫建設への影響

次に、建設業界の人手不足がもたらす、工場・倉庫を建設する発注者側への影響を見ていきましょう。
●建設工事費用の高騰
人手不足は、建設工事費用の高騰に直結します。その背景として人件費の高騰が挙げられます。
人手不足は、職人の需要を高めます。その結果、雇い主は賃金を上げざるを得なくなっています。賃金を上げることで人を呼び込む必要があるためです。
また働き方改革により、時間外労働時間が規制される中、従来よりも人員増員の必要性が増しています。
近年の建設需要の増加もあいまって、人手不足が深刻化しており、より建設工事費用の高騰につながっているのです。
●工期の長期化、納期遅延
人員が足りなければ、当然、同じ建設工事においても、時間がかかってしまいます。その結果、特に不具合が起きているわけではないにもかかわらず、工期が長期化してしまうことがあります。また人員不足が原因のトラブルが生じれば、納期の遅延が起きてしまうこともあります。
●施工品質の低下
人手不足は技術的な不安も生じます。高齢化が進み、熟練技術者が退職すると、技術が失われてしまいます。その結果、施工品質が低下する恐れがあります。
また、少ない人員で納期までに急ぎ進めた結果、施工品質が低下する恐れもゼロではありません。
3.工場・倉庫の賢い工事手配の方法

これから工場や倉庫の建設工事を発注する予定のある事業者にとっては、建設業界の人手不足から生じるコスト高騰や納期遅延、品質低下等の影響をできる限り受けないようにする必要があります。
そこで、工事手配をできるだけ効率的に行う方法をご紹介します。
●建設コスト高騰対策
複数の方法でコスト削減を検討しましょう。
例えば発注方式の検討が挙げられます。発注方式は、大きく「設計施工分離方式」と「設計施工一括方式」の二通りに分かれます。簡単に言えば、設計と施工を別の会社に依頼するか、同じ会社に一括で依頼するかの違いです。どちらを選択すべきかは、建設工事の内容や規模、資材などによって変わってくるものですが、一般的に設計と施工を同じ会社に一括で依頼する「設計施工一括方式」のほうがトータルコストを下げやすいといわれています。
また不要な工事や工程が含まれていないか、見積書の精査を行うことも有効です。
さらに、建設工事やそれに関連する設備投資などに活用できる可能性のある補助金申請を検討することも一案です。
●ICT活用などデジタル化を積極的に取り入れている事業者の選定
一般的に、人手不足に対しては、デジタル化による業務の自動化や効率化による省人化が対応策となります。建設業界においても、現場でのドローンやロボットの活用、施工管理におけるアプリやICTツールの利用等が行われています。このようなデジタル化を積極的に取り入れている事業者を選定するのも一案です。
●システム建築の利用
システム建築という工法を利用する方法です。システム建築とは、建物を構成する部材を標準化させることで、計画から設計、製作、施工までのすべてのプロセスをシステム化した建築手法です。品質の安定化や建築コストの軽減、工期短縮などを実現します。
>建設工事コストの高騰の原因とは?影響と工場・倉庫建設工事コストを抑える方法
>建築費高騰時代の工場投資。収益性を守るための建築計画とは?
4.まとめ
建設業界の人手不足は年々深刻化しており、工場や倉庫の建設工事に様々な影響を及ぼしています。人手不足の背景をよく踏まえながら、発注者としては工事手配をより効率的に行うことで、コストを最適化していきましょう。
古郡建設では、埼玉県と群馬県で工場・倉庫建設サービスを行っております。コスト効率化や、システム建築の利用などもご相談可能です。
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