近年は、工場や倉庫等における省エネ設計がより一層、重要視されています。2026年4月には、一定規模の工場や倉庫等において省エネ基準が引き上げられたため、これから工場や倉庫の建築を進めたいと考える場合には、省エネ性能についての意識を強化する必要があります。
今回は、工場・倉庫も含めた中規模非住宅建築物の省エネ基準引き上げの概要や具体的な引き上げ内容をご紹介します。また、それに伴い、工場・倉庫の建築主が留意すべきこともあわせてご紹介します。
1.工場・倉庫も含めた中規模非住宅建築物が省エネ基準引き上げへ

●省エネ基準の引き上げとは?
2021年4月1日より、建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律に基づき、新築または増築・改築後の床面積が300㎡以上2,000㎡未満の中規模非住宅建築物について、省エネ基準への適合が義務付けられました。
中規模非住宅建築物とは:床面積が300㎡以上2,000㎡未満の工場や倉庫、事務所、学校、ホテル、百貨店、病院、飲食店、集会所などを指します。
2026年4月1日からは、この中規模非住宅建築物の省エネ基準の水準が引き上げられました。これは「建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令の一部を改正する省令(令和6年経済産業省・国土交通省令第2号)」によるものです。
同省令では、省エネ基準における「設計一次エネルギー消費量」が「基準一次エネルギー消費量」を超えないことを求めています。詳細は後ほど解説します。
●省エネ基準引き上げの背景
近年、国土交通省は建築物の省エネ性能について、2030年度までにZEB水準とする方針を掲げています。近年は段階的に基準値を引き上げており、今回はその一環としての引き上げとなりました。
ZEBとは「年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスの建築物」を指します。
2.省エネ基準引き上げの内容

このほど、省エネ基準が引き上げられた詳細を確認しておきましょう。
●BEIとは?
省エネ基準は「BEI」という指標で表されます。
BEIは、「Building Energy Index」の略称で、住宅・建築物の一次エネルギー消費量の基準となる指標です。
BEIは「設計一次エネルギー消費量」を「基準一次エネルギー消費量」で割って求めます。
【計算式】
BEI = 設計一次エネルギー消費量 ÷ 基準一次エネルギー消費量
・設計一次エネルギー消費量:設計から想定される、該当する設備機器(空調・換気・照明・給湯設備など)の一次エネルギー消費量を合計した値
・基準一次エネルギー消費量:国が定める基準値。地域区分や床面積、用途などにより決まる
●施行前BEI
改正省令の施行前の中規模非住宅建築物は「BEI≦1.0」でした。つまり、設計一次エネルギー消費量が基準一次エネルギー消費量以下であれば、省エネ基準に適合します。
●施行後BEI
施行後は工場等が「0.75」、事務所等や学校等が「0.80」、病院等や飲食店等が「0.85」へ引き上げられました。
つまり、設計一次エネルギー消費量が基準一次エネルギー消費量を下回る必要があります。
工場等は、基準から25%削減する必要があります。
3.工場・倉庫の建築主が留意すべきこと

省エネ基準引き上げに際して、工場・倉庫の建築主が留意すべきこととして、次のことが挙げられます。
●中規模非住宅建築物に該当するかの確認
まず中規模非住宅建築物に該当するかどうかの確認が必要です。延床面積が300㎡以上2,000㎡未満であればBEI「0.75」となります。
なお、2,000㎡以上の大規模であった場合もBEI「0.75」となります。小規模の300㎡未満の場合はBEI「0.1」です。
●省エネ基準への適合性判定(省エネ適判)への対応は変わらない
建築主はこれまでと同様に、省エネ基準への適合性判定(省エネ適判)を受け、建築確認時に、適合性判定通知書を提出する必要があります。省エネ基準の数値だけが変わることを留意しておきましょう。
●省エネ基準引き上げに該当する場合
工場や倉庫の建築計画を立てる際には、より早い段階から省エネ対応を検討する必要があります。
例えば効果的な対策例として、空調設備の熱負荷の軽減や、換気・照明設備などの設備機器の容量適正化などが挙げられます。
早急に対応策を検討しておけば、追加コストや納期遅延のリスクを回避しやすくなります。優良な建設会社をパートナーに迎え入れるなどして早期に相談しましょう。
4.まとめ
省エネ基準の引き上げについて解説しました。工場や倉庫建設を検討している方は、今後はより一層、省エネ基準についての意識を高く持つ必要が出てきました。優良なパートナーを見つけて、省エネ基準の適合に努め、環境に配慮した工場や倉庫の建設を進めましょう。
古郡建設では、埼玉県・群馬県の倉庫建設・改修工事を担う工場・倉庫建設サービスを行っております。
設計段階でのコスト効率化や省エネ対応、調整など一貫してサポートいたします。ぜひお気軽にご相談ください。
埼玉県・群馬県での工場建設・改修工事なら古郡建設
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