工場建設
工場での結露対策とは?
適切な温度・湿度管理の基本をご紹介

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工場は、さまざまな原材料や製品を取り扱い、多くの機械や人が稼働しています。そのため、工場内は環境の管理の徹底が求められており、適切な温度や湿度の管理が必要です。結露が発生すれば、工場内の多くの物に影響が及ぶことから、生産管理の点からも注意が必要です。
そこで今回は、工場の適切な温度・湿度管理と結露対策の基本をご紹介します。

目次

1.工場に結露が発生する理由

工場内では適切な温度や湿度管理が必要とされる一方で、工場内は結露が発生しやすい環境にあります。結露が発生するメカニズムとしては、空気が含むことができる水蒸気の上限である、飽和水蒸気量が影響しています。飽和水蒸気量は、温度が高いほど多くなり、低いほど少なくなります。そのため、温度が高いところから低くなると、温度差で上限を超えた水蒸気が結露となり、窓ガラスやサッシに水滴がつくこととなります。

では、なぜ工場には結露が発生しやすいのか、その理由は主に3点あります。

●面積が広い

工場にように面積が広く、そして天井が高い建物では、空調設備の効きが悪く結露が起こりやすい環境となります。また、一般的な建物と比較して、間仕切りが少ない分、空調効率も悪くなる傾向にあります。

●窓が少ない

工場は衛生管理、耐震性を保つため観点から窓がない、または少ない構造となっています。また、窓があると外の温度や湿度の影響を受けやすくなることも、窓が少ない理由の一つです。窓がないと換気がしづらいため、室内に溜まった湿気を外に逃がしにくくなり、その結果、工場は湿気が溜まりやすく、結露が発生しやすくなります。

●コンクリートの特性上

工場はコンクリートで作られていることが多いですが、コンクリートはその特性上、結露が発生しやすくなります。コンクリートの特性として高い吸水性があります。そのため、コンクリートを使用している建物は湿気・結露対策が必要となります。

特に新築や新築や建て替えなどで、新たにコンクリートを敷いた場合は注意が必要です。コンクリートは、セメントや水を混ぜて製造されており、製造時に使用される水が乾燥するまでには一般的に2~3年、環境によっては5年以上かかると言われているため、より注意が必要になります。

2.工場における温度・湿度管理の必要性

工場では温度と湿度管理が必要ですが、それにはさまざまな理由があります。主な理由をご紹介します。

●製品や原材料の品質保持

適切な温度と湿度の管理ができていなければ、湿気や結露が発生してしまい、保管している製品や材料の品質に悪影響を与えてしまう恐れがあります。

食品の場合は、製品を提供する消費者の健康リスクにもかかわることから、温度・湿度の管理を含めた徹底した環境管理は収益向上や事業存続に欠かせないものと言えます。実際、食品の加工工場では食中毒を回避するために食品ごとに細かい設定がされています。

●機器の正常稼働

湿度は一定の範囲を超えると、電子機器や精密機器に静電気が発生したり、場合によっては破損したりするリスクがあります。特に精密機器では、湿度の影響を受けやすく、サビや腐食のリスクが高まり、品質に悪影響を及ぼし、さらに、工場稼働率や不良品率にも影響してくることもあります。

●湿気・結露によるトラブル回避

工場は結露が発生しやすく、カビやダニなどの害虫の発生や、建物や設備のサビや腐食、従業員の健康を損ねるなどのトラブルにつながってしまいます。湿気や結露は温度や湿度のコントロールによって防止することができます。

●工場で働く労働者の安全衛生

工場が温度・湿度管理を行わなくてはいけない最も大きな理由は、労働安全衛生規則によって定められているためです。労働安全衛生規則とは、労働者がその健康や安全を害されることなく、衛生に配慮した環境で安心して働けるようにと厚生労働省が定めた法令であり、その第第六百六条と第六百七条で屋内作業場の「温湿度の調節」と「温湿度の測定」を事業者に義務付けています。

第六百六条 事業者は、暑熱、寒冷又は多湿の屋内作業場で、有害のおそれがあるものについては、冷房、暖房、通風等適当な温湿度調節の措置を講じなければならない。

第六百七条 事業者は、第五百八十七条に規定する暑熱、寒冷又は多湿の屋内作業場について、半月以内ごとに一回、定期に当該屋内作業場における気温、湿度及びふく射熱(ふく射熱については、同条第一号から第八号までの屋内作業場に限る。)を測定しなければならない。

【出典】「昭和四十七年労働省令第三十二号 労働安全衛生規則」
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=347M50002000032

主にこれらの理由から、工場における温度と湿度管理は重要であるといえます。

3.工場の温度・湿度管理の方法

実際に、工場において温度・湿度を管理するには、次のような方法が考えられます。

●工場の適切な温度と湿度とは

工場の最適な温度と湿度は、扱う製品や使用する設備によって異なります。

食品を扱う工場や、電子機器や精密機器、機械を用いる工場、サーバールームやクリーンルームなどを有する工場は、特に厳密に個別最適化された温度・湿度の管理が求められます。

例えば食品工場では、空調によって15℃から20℃程度と低めに保たれているのが一般的です。

●工場の温度・湿度管理の方法

工場の温度・湿度管理は、具体的にどのように行われているのか、確認していきましょう。

・空調・換気扇・窓を利用する
空調設備による温度調整とともに、換気扇や窓を開閉することによる方法は基本といえます。特に空気がこもりやすい工場では換気が欠かせません。

・冷却パイプや断熱カーテンなどを導入する
機器や工作機械が常に稼働しているような工場では、摩擦による熱などが絶えず発生するため、室温が上がりやすいことから、十分に気を配って温度管理しなければなりません。冷却パイプやクーラー、ファンなどのほか、断熱カーテンを全体に囲むのも一つの方法です。

・温度計や湿度計の数字を定期的に記録する
温度計や湿度計を設置し、定期的に数値を記録して実態を把握する習慣作りは重要です。常時と異常時の違いに気づきやすくなるため、異常時の早期発見、早期対策につながります。

・空調設備の定期メンテナンスを行う
空調設備は、長年利用していると埃による影響で風量が不足したり、冷却効果が落ちたりする恐れがあります。定期的に清掃や点検などのメンテナンスを行うことが重要です。

・温度や湿度の管理を自動で行う仕組みを作る
温度や湿度の管理を、システムで自動記録・自動制御する仕組みを構築することで、常に最適な環境を実現できます。温度設定ミスなどの人為的ミス削減にも寄与します。

・工場の設計時に湿気・結露を防ぐ作りにする
工場は設計によっても温度や湿度が保ちやすくなります。特に課題となる湿気や結露を防ぐため、適切な位置に通気口や換気扇を設置したり、窓開けするだけで全体の風通しをよくする設計にしたりなど、工夫は可能です。工場建築の時点で環境管理を踏まえて、管理しやすい設計にしてもらうよう、建設会社に相談しましょう。

・空気を循環させる・滞留させない
空気を絶えず循環させ、滞留させない仕組み作りが重要です。天井に取り付けて大型の羽根を回しながら空気循環を促すシーリングファンの導入も一案です。工場設計時に空気が循環しやすい作りにする方法もあります。

・寒暖差をできるだけ作らない
結露は工場内と外気の寒暖差が大きいほど発生しやすくなるため、寒暖差をできるだけ作らないことが重要です。空調管理・換気のほか、断熱カーテンや断熱シートを導入するなどが対策として考えられます。

4.工場の温度・湿度管理に関するまとめ

工場における温度・湿度管理は重要であることは周知の事実ですが、思わぬところで手薄になっていることもあります。日々の管理や工夫は重要といえます。

しかし工場の設計の段階で温度・湿度管理がしにくく、湿気や結露になりやすい作りであることが原因の場合には、管理の難易度が上がってしまいます。

弊社が手がける建築においては、温湿度管理や湿気や結露を防ぐためのご提案をさせていただきながら、管理のしやすい工場作りのお手伝いが可能です。お困りの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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よくある質問

倉庫・工場・店舗設計、何からはじめたらいいのでしょうか?

まずはお客様の構想を明確化します。規模や予算・用途を明確化させる事で、土地探しやリニューアルの規模感がある程度定まります。
特に埼玉・群馬での建設の場合、主要交通網とのアクセスによって倉庫・工場の利便性、店舗の集客力に大きな差が出ます。
また、用途地域による制限や、地盤による向き不向きもあるため、詳細はお問合せください。

埼玉県における倉庫・工場建設の特徴や用地探しのコツはありますか?

埼玉県は首都東京と隣接しており、各幹線道路や貨物運搬に長じた鉄道網が整備されており、大手企業も含めた大型倉庫がこうした交通網を中心に集中しています。一方、既にこうした利便性の高い地域に大きな土地を確保するのが難しく、県内広域にわたり首都圏の物流を支える倉庫や、京浜工業地帯に関連する工場等の建設が進んでおります。
広大な土地の確保は難しいものの、最近では小型倉庫を複数確保し拠点間の在庫・生産状況の連携を密にした運用を行う企業様が多く見られます。
私たち古郡建設は、埼玉・群馬で1世紀にもわたって地域発展のご支援をして参りました。埼玉で倉庫・工場建設用地にお悩みの場合はぜひ一度ご相談ください。

群馬県における倉庫・工場建設の特徴や用地探しのコツはありますか?

埼玉より遠いものの首都圏や京浜工場地帯に近く、また県内を北関東自動車道・関越自動車道・上信自動車道が通り甲信越地方へのアクセスが良いのが群馬県の特徴であり、そのため群馬県には業種問わず様々な工場が見られます。特に鉄道や航空機、自動車など輸送用機械器具のように広大な土地を要する大型製品の工場、江戸末期以降の歴史的背景を持つ製糸・亜鉛地金の加工工場、ナショナルブランドがこぞって群馬に工場を構える食品工場が有名です。特に県内の太田・館林・藤岡・富岡に工場が集中しております。
一方倉庫などの物流拠点は太田・館林にも多く見られますが、前橋・高崎・安中といった鉄道沿線にも多く見られ、埼玉よりも広域をカバーする物流拠点として活用されている傾向が見られます。
私たち古郡建設は、埼玉・群馬で1世紀にもわたって地域発展のご支援をして参りました。群馬で倉庫・工場建設用地にお悩みの場合はぜひ一度ご相談ください。

埼玉や群馬の店舗建設の特徴やコツはありますか?

埼玉・群馬は特に鉄道などの交通網整備により人口の集中が進み、かつ大宮や高崎といったオフィス展開が進む地域もあり、ターミナル駅周辺では都心と変わらないような駅ビルや駅前店舗も見られ、通勤・通学利用者をターゲットとした店舗展開が進んでいます。
一方、幹線道路と自家用車が主な交通手段として機能する地域もあり、こうした地域では幹線道路沿いに広大な駐車場を併設した郊外型店舗の展開が主流です。客層もファミリー層が主体となります。
二極化傾向が進む中、商品やメインターゲットに応じた立地と店舗設計が埼玉・群馬の店舗建設の鍵となります。
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代表取締役社長 古郡栄一

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